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ここでは、空間と密接な関係にあるアーユルヴェーダについて説明いたします。
ヴェーダとは、純粋な知性のエッセンスであり、私たち自身はもちろん、全ての環境、― 宇宙の万物 ―にあまねく存在しています。
もちろん、私たちの空間にも存在しています。
意識の進化と拡大に伴い、万物(宇宙世界)は、自分自身であると体験、理解します。
生命の科学であるアーユルヴェーダが、空間で活性化することは、私たちの意識にとって重要なのです。
全てのヒーリングアートは、アーユルヴェーダの活性化をも願い創作されています。
ご紹介する記事は、アーユルヴェーダの一般的な知識として、参考になさっていただければ幸いです。
≪ アーユルヴェーダとは ≫
アーユルヴェーダは、5000年以上も昔、古代インドで生まれた伝統的な医学体系です。
サンスクリット語の「アーユス(生命)」と「ヴィド(知識・科学)」の合成語で、『生命の科学』を意味しています。
その名の通り、私たちの意識と生理に関するあらゆる知識や叡智を体系化したもので、全体論的(ホリスティック)な考え方を基本に、 身体・心・ 魂(意識)・ 五原元素、これらすべてが互いに結び付き、調和とバランスが取れた健全な環境に存すること、を確立させる知識です。
そして、アーユルヴェーダは、自分自身に気付くこと(自己発見)を出発点としています。
アーユルヴェーダは、単に病気を治すことではなく、病気の予防を重要な目的としています。
病気を引き起こす主な要因は、“ドーシャ(生命エネルギー)”のアンバランスとされています。
アーユルヴェーダでは、宇宙の万物は五原元素[ 空 ・ 風 ・ 火 ・ 水 ・ 地 ]から構成され、これらが組み合わさって生命エネルギー(ドーシャ)を形成するという概念があり、人間の身体と心はこのドーシャが担っていると考えられています。
[ 五原元素とその内容 ]
空(空間) | 聴覚に関係。人体の中の空間(口・鼻・消化管・気道・腹腔・毛細血管・など) |
| 風 | 触覚に関係。筋肉の収縮・心臓の拍動・肺の伸展と収縮・胃腸の動きなど、動きの要素 |
| 火 | 視覚に関係。体温・消化・思考・視力など、すべての代謝と酵素系をコントロールする要素 |
| 水 | 味覚に関係。消化液・唾液腺の分泌物・粘膜・血漿・細胞質の中にある要素 |
| 地 | 嗅覚に関係。骨・軟骨・歯・爪・筋肉・靱帯・皮膚・髪・鼻などの物質の形を維持 |
ドーシャ(生命エネルギー)は、五原元素の主に2つずつが対となり、大きく3つに分別されます。
@ 風 と 空 … ヴァータ ( 風 が優勢 )
A 火 と 水 … ピッタ ( 火 が優勢 )
B 地 と 水 … カ パ ( 地 が優勢 )
人の体質は、受胎の時の両親のドーシャの状態を含め、いくつかの環境要因によって決まります。
ほとんどの人は2つのドーシャの混合型で、一方のドーシャが他方より優勢です。
3つのドーシャは生物学的作用をすべて支配しており、そのエネルギーが身体的・心理的性質を左右し、人それぞれの優勢なエネルギーによって 容姿・臓器の機能・知的能力・気性(気質) が決まります。健康にとって必要なのはこの3つのドーシャのバランスで、問題や病気はドーシャがアンバランス(必要以上に、増える・減る)になったために引き起こされると言われています。
本文では、主に、それぞれのドーシャが必要以上に増えた場合(増悪時)に引き起こされると考えられる問題や病気について、記載してあります。
ドーシャは一日の中でも一年の中でもサイクルがあり、人の一生の中でも変化するとされています。
また、食べ物や私たち自身(考え方や行動)・天候条件を含む周りの環境で常に変化します。
以下、
1.“3つのドーシャ”のそれぞれの特性について
2.ドーシャと関係の深い“アグニ”について
3.アグニと関係の深い“ダートゥ”について
を参考になさって下さい。
1.“ 3つのドーシャ ”のそれぞれの特性について
1−1 |
| ・・・ サンスクリット語のヴァータは「動く」を意味します。 |
ヴァータは、3つのドーシャの中で最も重要な要素であり、物理的・精神的に“動き”を司っています。
ヴァータに繋がる宇宙現象は[ 風 ]であり、その主要原理は“変化”です。
他の2つのドーシャには自ら動いたり、作用を及ぼす力がないため、おのずとヴァータの動く力が必要となります。よって、他の2つのドーシャを支配し活性化します。
ヴァータは流動的な属性を持つため最も不安定で、問題や病気の誘因になりやすいドーシャです。
○ ヴァータが優勢な時間帯と季節 |
| 午後2時〜6時・午前2時〜6時(起床に良い時間帯)。 秋〜初冬にかけて。梅雨時。風が強く乾燥している日。 人生の周期でみると、老年期。 |
○ ヴァータの機能 |
| 動き・伝達・循環。 聴覚と味覚に優れている。 |
○ ヴァータの属性 |
| 冷たい・乾燥・不規則・動的・粗い・荒れた・軽い・分散的・微細・微小・もろい。 |
○ 身体の特徴 |
| やせ型で、太りにくい・乾燥肌でシミ、シワができやすく老化が早い傾向。 爪、髪、皮膚が粗い・髪は太くて硬く、くせ毛が多い。 顔の形は細面で、骨っぽく、目は小さく、鼻も細い。 歯並びが悪く、唇が薄い。ほとんど汗はかかない。 熟睡できず、眠りは浅くなりがち。食欲も消化も不安定。 |
○ 身体での役割 |
| 頭部(脳)・胸(肺・喉)・心臓(血液循環)・骨盤内腔・腹部(胃腸)の5か所に位置し、大腸がヴァータの座となる。 また、耳や骨・大腿部・皮膚も関係する。 呼吸・筋肉の動き・心臓の拍動・神経細胞における刺激の伝達などを支配し、血液・体液・消化物を運ぶ。 月経を制御し、大便や尿・経血や精子を排出する。 痛みや痙攣などの感覚や、発声・体力を司る。 |
○ 精神的特徴と行動パターン |
| 3つのドーシャの中で最も活動的であり、熱心で集中力がある。 精神的にも感情的にも波が激しい。落ち着きがない。 新鮮な気分・不安・恐怖・悲しみ・動揺などの感情を司り、最も感受性の強いドーシャである。 繊細で傷つきやすく、神経障害を患いやすい。 頭の回転が速く、機転が利き、物事の飲み込みが速いが、ずっと記憶に留めて置くことが苦手である。 話すスピードが速い。 新しい物好きですぐに飛びつくが、非現実的な発想のために長続きせず、すぐに挫折する傾向にある。 想像力や創造性が豊かで、その力を発揮できる場が必要である。 変化に富むもの・刺激的スリルが好きである。 人なつっこく気前が良い性格だが、完全な個人主義。 ものには執着しないので、お金は貯まりにくくあってもすぐ使う。 走ったり・飛んだりと、エネルギッシュな夢を見ることが多い。 |
○ ヴァータの乱れによる理知の誤り |
| 体の症状として、肌の乾燥・もろい爪・髪の毛、目、唇、舌が乾く・不眠症・関節の痛み・腰痛・神経痛・便秘・ガス腹・偏頭痛・動悸・めまい・耳鳴り・手足の血行不良・震えまたは悪寒・筋肉の緊張・記憶力の低下・「神経性」の胃痛・高血圧。 感情的には、冷淡で無関心・他人のことに無頓着になる・神経質・忘れっぽい・ぼんやりする・不安、心配、恐怖を抱き混乱する。 非現実的で感傷的になる。気分の変動が大きくなる。 (ヴァータに重要な)食事も不規則になる。 |
○ ヴァータを乱す原因 |
| 不規則な生活・食事抜き・絶食やダイエット・睡眠不足。 テレビの見過ぎやコンピューターの使い過ぎ。 長時間、騒音やうるさい音楽にさらされる、または長電話などの精神的な刺激過多。 肉体的な激しい活動。仕事や運動のし過ぎ。 過度の性行為。薬品を摂り過ぎる。 寒くて風の強い天候、台風。 不安定な食欲。 生ものや冷たい、乾燥した、あっさりした食べ物。 苦味、渋みの強い食べ物。 |
< ヴァータのバランスを保つ環境と工夫 > |
| なるべく感情を表に出して、想像力を働かせ、恐れや不安を心から追い払う。 リラックスできるマッサージをしたり、ガーデニングのように土に触るのも良い。 規則正しい食事・規則正しい十分な睡眠(早寝)をとる。 食事は落ち着いて、食べることに専念する。(ながら食べはしない。) 食事前にはリラックスしておく。 決まった日課を作る。 適度な運動をする。(激しい運動は控える。) 暖かくして、極端な寒さを避ける。
Himalayahouse 14 - 記憶水Ω. M
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1−2 |
| ・・・ サンスクリット語のピッタは「熱する」「燃やす」を意味します。 |
ピッタは、変化を司るドーシャで、食物の消化・新陳代謝・発熱などの体内の生化学的な活動を制御しています。
ピッタに繋がる宇宙現象は[ 太陽 ]であり、その主要原理は“転換”です。
代謝や変換に影響を与え、本質的には流動性と熱を兼ね備えています。
○ ピッタが優勢な時間帯と季節 |
| 午前10時〜午後2時・午後10時〜午前2時。 夏の中頃〜終りにかけて。暑くて特に湿度が高い時。 人生の周期でみると、壮年期。 |
○ ピッタの機能 |
| 変化・新陳代謝・消化・理解力・勇気・顔色。 視覚機能に優れている。 |
○ ピッタの属性 |
| 熱い・鋭い・明るい・軽い・液体の・流動・やや油性の・酸っぱい・刺激性の。 |
○ 身体の特徴 |
| 中肉中背でプロポーションが良い・色白でそばかす、シミ、ほくろがある。 日焼けしやすい・爪、髪、皮膚が軟らかい・若いうちから白髪や頭がハゲる。 瞳の色が薄く、眼差しは鋭い・顔はハート型で、鼻や顎は尖っている。 暑い時はよく動き、汗もたくさんかく・口臭や体臭も出やすい。 熟睡するが、睡眠時間は短くて済む。 激しい空腹を感じる・食欲旺盛で消化も良好。 |
○ 身体での役割 |
| 胃・肝臓、脾臓・心臓(意識)・目・皮膚 の5か所に位置し、胃がピッタの座となる。 小腸・汗腺・脂肪組織・赤血球も関係する。 消化・代謝・体温・皮膚の色などを支配し、胃腸での消化吸収を司る。 消化吸収は、ピッタが体内で果たす最も重要な役割である。 赤血球とリンパ液を作り、皮膚の新陳代謝を制御する。 |
○ 精神的特徴と行動パターン |
| 激しく感情が動き、短気で憎しみを抱きやすく、時には執着を持つ。 批判的で、苛立つことやぶっきらぼうになることがある。 その反面、優れた知性と理解力があり、几帳面で強い集中力もある。 野心家で情熱的、リーダーシップをとる。 問題点などを積極的に話し合い、議論には説得力がある。 決断力があり、新しい考えを受け入れる。 考え方も話し方も明晰で、その論点の的確さと細心の気配りから人前の演説に向いている。言葉を操ることに長けている。 自分で確かめないと気が済まない。 自信に満ち、勇敢だが用心も怠らない。知識欲も旺盛。 完璧主義・対抗心を燃やしやすい・譲歩しない。 仕事が多すぎるのは好まない。 |
○ ピッタの乱れによる理知の誤り |
| 身体の症状として、消化不良・下痢・胸やけ・潰瘍・胃酸過多・肝臓疾患・貧血などの血液の病気・黄疸・湿疹、ニキビ、じんましん、アトピーなどの皮膚病・喘息・咳・アレルギー・目のトラブル(特に充血)・発熱・灼熱感・感染症・化膿しやすい・鼻血が出やすい・多汗・過度の空腹感・記憶力の低下。 感情的には、怒り・頑固さ・短気・嫉妬・憎悪・攻撃性が強くなる。 物事を善悪だけで判断する・批判がましくなる・過剰に野心を持つ。 |
○ ピッタを乱す原因 |
| 熱 ― 部屋が暑すぎる、太陽に当り過ぎるなど。 競争・気を張り詰め過ぎる。 長時間、騒音やうるさい音楽にさらされる。 薬品をとりすぎる。 空腹・不規則な食事・食事を抜く。 動揺した時や怒った時にものを食べる。 食欲過剰・熱いもの・脂っこい、またはスパイシーな食べ物。 塩味、辛味、酸味の強い食べ物・動物性食品を良く摂る。 コーヒー・アルコールの飲み過ぎ。タバコの吸い過ぎ。 生ものや冷たい食べ物。 |
< ピッタのバランスを保つ環境と工夫 > |
| 周りとのバランスを大切にする視点を持つ。 活動した後は、必ず休養を取る。 人間関係で、嫉妬深くなったり、おせっかいを焼き過ぎない。 笑う、自然と笑えるようになることも大切である。 できるだけ周囲の環境を涼しく、みずみずしくしておく。 日焼けしないようにする。 リラックスすることを覚える。 湧き上がってくる感情を表現する時間を持つことが大切。 睡眠を適度に取る。 食事は食べ過ぎない・抜かない。必ず座って、ゆっくり食べる。(ながら食べはしない。) 朝食をしっかり摂る。 間食をしない。 食事の後は、椅子に座ったままで少しのんびりする。
Himalayahouse 14 - 記憶水Ω. M
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1−3 |
| ・・・ サンスクリット語のカパは「抱く」「まとめる」を意味します。 |
カパは、精神的にも肉体的にも最も強力なドーシャで、3つのドーシャの中で最も安定しています。
バランスを崩しにくく、“体力と抵抗力”両方の源であり、生体の構造を司り、病気の誘因になることはほとんどありません。
カパに繋がる宇宙現象は[ 月 ]であり、その主要原理は“慣性”です。 退屈を避けるために刺激を必要とします。
○ 自然界のカパ |
| 岩や山や大地、湖など。 自然界の基本的な構造を作る。 |
○ カパが優勢な時間帯と季節 |
| 午前6時〜10時・午後6時〜10時 冬の終わり〜春先にかけて、雪解けの時期。 寒くて雨が降り、パッとしない日。 人生の周期でみると、若年期。 |
○ カパの機能 |
| 構造・結合・持久力・潤い。 味覚と嗅覚に優れている。 |
○ カパの属性 |
| 重い・遅い・冷たい・大きい・油性の・甘い・粘り・柔らかい・緩慢・固形・静的な。 |
○ 身体の特徴 |
| 体格ががっしりしていて胸板も厚く、見るからに力が強そうである。 太りやすく痩せにくい・大抵は体重が重い・爪、髪、皮膚が滑らか。 髪の毛は太くてくせ毛で黒っぽい・皮膚は血色が悪く、脂性・骨太。 大きな顔に太い首・目は大きく鼻も口も大きい・刺激を受けてわずかに発汗。 睡眠時間が長く、眠りも深い。 食欲は控えめで波がなく、消化はゆっくりで規則正しく安定している。 消化が効率的なので、食べる量は少なめ。 |
○ 身体での役割 |
| 胃・胸腔・舌、喉・頭部・関節 の5か所に位置し、胸がカパの座となる。 鼻・リンパ管・体液・粘膜・唾液・血漿にも関係する。 水様の体内分泌物の中にあり、免疫を支配する。 胃の中の食物を潤わせ消化を始めたり、舌を湿らせて喉の粘膜を分泌し、味覚を司る。 栄養素から血液や筋肉・脂肪を作り、これらを維持する。 また、脊髄液を保持し、鼻や口・目を湿らせて脳と感覚器の働きを助け、身体中の関節を潤滑に動かす。 |
○ 精神的特徴と行動パターン |
| 寛容で穏やか・落ち着きがあり、誠実で愛情深い。 情緒が安定している。人の面倒をよく見る。 協力的で、思いやりを持って人と接する。聞き上手である。 癒し系。 物事の理解が遅いが、一度記憶するとなかなか忘れない。 十分な体力と持久力を持つ。 めったに怒らないが、ひとたび怒るとなかなか興奮を鎮めることができない。とても感傷的でロマンチック。 スキンシップを大切にし、人を抱きしめることで安心感を得る。 ゆっくりで慎重派・現状維持・冒険は好まない。 じっとしているのを好む・自分のために他人を働かせるのが上手。 また、他人に依存する・物を溜め込む・どんな変化も嫌う。 物事の善し悪しを正しく判断できず、自分が熟知したやり方で進めることを良しとする。 しつこくて所有欲が強い・執着心や嫉妬、妬みが強い。 怠惰、無精になりやすい・緩慢。 |
○ カパの乱れにより理知の誤りが生じた時 |
| 身体の症状として、肥満・消化不良・背中や関節の痛み・喘息・咳・風邪・糖尿病・(主に胸の)鬱血・肌が青ざめる・寒さに敏感になる。 鼻炎・気管支炎・扁桃腺炎が起こりやすい。 代謝異常・むくみ・アレルギー・食欲不振・インポテンツ。 感情的には、怠惰・鈍さ・欲深さが強くなる・嫉妬する・執着する。 無気力・無関心になる。何事も不活発になる。鬱になりやすい。 |
○ カパを乱す原因 |
| 刺激の不足・運動不足・眠り過ぎ(主に昼寝)。 食べ過ぎ・夜遅い食事・間食・食欲不振。 冷たい物の取り過ぎ・脂肪、脂っこい食べ物、揚げ物、肉、乳製品、ナッツ、小麦の摂り過ぎ。甘味、酸味、塩味の多い食べ物。 新月。 |
2. 『 アグニ 』 について
アグニとは、「消化力」または、食べ物をエネルギーに変換する「消化の火」です。
西洋で“代謝”と呼ばれるものを指し、酵素の働きに相当します。
アグニの強さは人それぞれで、ヴァータのアグニは不安定で、ピッタのアグニは最も強く、カパのアグニは最も遅くなります。
アグニは組織や細胞に存在し、正常に働いているときは消化機能だけでなく、肝臓・膵臓・胆嚢・唾液腺など、食べ物を燃焼したり変換したり排出したりする過程に関わる部位や、力もカバーします。
アグニが最高レベルで作用しているときは、体細胞は栄養を吸収し、老廃物は燃やされ、効率的に消化されます。食べ物はおいしく感じられ、食後数時間経つときちんと空腹感が得られます。
アグニのバランスが崩れると、体内の免疫系は崩れ、栄養素は消化吸収されません。
その結果“アーマ(未消化物)”という病気の原因となる毒素が蓄積されてしまいます。
また、心のアグニ〜明晰な思考力=“自己の行為の結果を理解する叡智”を与える力〜も不活性になります。
アグニはドーシャと関係が深く、ドーシャのバランスが崩れるとアグニのバランスも崩れます。
ピッタとアグニは密接な関係を持っています。アグニはピッタの中心的な役割となっています。
しかし、ピッタが増え過ぎると胃酸過多になり、栄養素が消化の過程で燃え尽き、免疫力が弱まります。
ヴァータが増え過ぎると、鼓腸や痙攣が起きたり、便秘と下痢が交互に現れたりします。
カパが増え過ぎると、消化作用が遅くなり、重苦しい怠惰な気持ちになります。
具体的には、食べる量や回数が多い・消化に悪いもの、健康に良くないものを食べる・夜にタンパク質を摂りすぎる・感情を抑え込む…などで、これらはアグニの火を衰えさせ、力を奪う原因になります。
また、食べながらの読書・テレビや、言い争いもアグニを弱めます。
冷水はアグニを静めてしまい、空腹感がある時に水分を摂るとアグニが減少します。
アグニを高めるには、消化機能を刺激する食べ物やアグニを高めるスパイスを摂ります。
スパイスはアグニを掻き立て、食べ物の味を豊かにします。
3. 『 ダートゥ 』 について
アーユルヴェーダでは、ダートゥと呼ばれる身体を組織する7つの構成要素があります。
ダートゥは、摂取する食べ物からアグニによって作られます。
すなわち、食べ物をダートゥに変換するためにアグニが働いていると言えます。
このように、ダートゥとアグニは密接な関係にあります。
7つの構成要素とは、 血漿(ラサ)・血液(ラクタ)・筋肉(マーンサ)・脂肪(メーダ)・骨(アスティー)・骨髄と神経(マッジャー)・生殖器官(シュクラ) で、これらはそれぞれ互いにエネルギーを引き出し合っており、7つのうち1つでも乱れると他の組織にまで影響を及ぼし、病気になります。
それぞれの組織は、3つのドーシャの支配も受けており、ドーシャがバランスよく調和して働いている時は、消化と代謝の作用が効果的に行われます。
7つのダートゥが一緒になって“ オージャス ”と呼ばれる「純粋な知性のエッセンス・生命エネルギー」を作り、生き生きとした健全な状態を生みだします。
“ オージャス ”は、ダートゥから作られる究極のエネルギーであり、身体と心そして環境に拡がって、全てを創造します。
* 追 記 1 *
オージャスを向上させる優れた食品として、「 蜂蜜 」と「 牛乳 」があります。
しかし、この2つは摂り方がとても重要で、誤った摂り方をすると毒素の元となるアーマ(未消化物)が発生し、3つのドーシャのバランスを悪化させ、身体に害を及ぼし、結果的には毒となってしまいます。
[ 蜂蜜について ]
蜂蜜は、ビタミンやカルシウムなどのミネラルが豊富に含まれており、ブドウ糖と果糖もバランスよく含まれています。
消化吸収が早く、素早くエネルギーに変換されるため、疲労回復にとても効果があります。
分子が小さくすぐに吸収されるため、胃腸の負担も少ないのが特徴です。
アーユルヴェーダでは、蜂蜜は「甘味」「渋味」となります。
「 シュロータス(消化管・血管やいろいろな管)を浄化し、サットヴァ(純粋性・健康の基礎となるもの)をもたらすもの 」 と奨励されています。
体内に熱を作るので、ヴァータとカパを緩和する作用があり、血液を浄化し、創傷や潰瘍を癒し、目や歯にも良く、風邪・喉・鼻づまりにも良いとされています。
また、水と一緒になって体にエネルギーを湧きあがらせ、腎臓を浄化する作用を持ち、適量を摂れば脂肪を減らし、肥満を予防するとも言われています。
このように蜂蜜はとても素晴らしい食品ですが、これは全て 非加熱の生の蜂蜜 に限ります。
36℃以上で加熱された蜂蜜は、アーマ (未消化物) の中でも最も強力な毒素を発生させる難治性のものとなり、血管や消化管など(シュロータス)を塞ぎ、3つのドーシャを悪化させてしまいます。
蜂蜜は、非加熱のもの・100%ピュアなもの・なるべく新鮮なもの(収穫後1年を過ぎたものは、ピッタを刺激します)を選んで下さい。
決して熱を加えず、温かい飲み物に溶かす場合は36℃以下にします。
市販のお菓子やパン・飲み物などの食品に含まれている場合、ほとんどが加熱されていますので注意して下さい。
また、非加熱であっても赤道を越えて輸入されているものも注意が必要です。
[ 牛乳について ]
牛乳は、乳タンパク・乳脂質・乳糖(カルシウムや鉄の吸収を高める)・カルシウムなどのミネラル類・ビタミン類を含んでおり、「 完全栄養食品 」と言われています。
アーユルヴェーダにおいても、「 牛乳は生命を与える 」と言われており、免疫を高める優れた食品で、毎日摂ることを勧めています。 属性は「 甘味
」となります。
しかしながら、摂取の仕方がとても難しい食品でもあります。
牛乳のようにカルシウムを多く含むものは消化に時間が掛かります。そして「 冷性 」「 油性 」の性質も持つため、やはり消化に時間が掛かり、食べ合わせに気を付けなければいけません。
牛乳は新鮮なものを単品で摂るのが望ましく、冷たいままで飲まずに一度沸騰させ、適温にしてから温かいまま飲みます。
また、食前30分・食後1時間半ぐらい空けてから飲むようにします。
牛乳と同量のお湯で割ったり、生姜のすりおろしを少量入れると、牛乳の質を軽くして消化が良くなります。
穀物(米やパン)と一緒の摂取は大丈夫とされていますが、酸味(果物・ヨーグルト・発酵食品・乳製品)、塩味、肉類、魚介類とは一緒に摂らないようにします。
これらのものと一緒に摂ると、消化しきれずに大量のアーマ(未消化物)を発生します。
牛乳によるアーマは、皮膚に蓄積しやすいため、アトピー性皮膚炎のような皮膚の疾患が起こりやすくなります。
3つのドーシャも悪化させ、抵抗を弱め、貧血・アレルギー性疾患・腫瘍・ガンなどのあらゆる病気の原因になるとも言われています。
牛乳も「 心にサットヴァ(純粋性・健康の基礎となるもの)の性質が増す 」と言われています。
夕方の疲れた時、またはぐっすり眠れない・寝起きが悪いというように、眠りの質が悪い人には、寝る前のコップ1杯の温めた牛乳がとても良いようです。
このように、とても有益な食品である「 蜂蜜 」と「 牛乳 」を正しく摂取して、心と体に栄養をあげて下さい。
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